What is the competitive advantage of established companies?🐮

― 南海グリル再訪から考えるブランド設計 ―
大阪・堺の老舗ステーキハウス「南海グリル」を再訪する機会を得ました。
料理の質は言うまでもありませんが、今回の訪問で改めて考えさせられたのは、
老舗が長年にわたり競争優位を維持し続けるための“仕組み”についてです。

一般的に老舗は「伝統を守る存在」として認識されがちですが、現場を観察するとその実態は異なります。
むしろ、守るべき本質を明確にした上で、業態設計や価格戦略、
人材育成の在り方を継続的に見直している点にこそ、持続的成長の要因があると感じました。

南海グリルでは、同一ブランドのもとに複数の価格帯・業態を展開し、
利用目的や顧客層に応じた選択肢を提供しています。
これは単に客単価の向上を狙うものではなく、顧客との接点をライフステージごとに設計するという発想に基づいているように見受けられます。
すなわち、特別な日の高価格帯利用に加え、日常的な食事や家族利用といった異なるシーンを同一ブランド内で受け止めることで、来店動機の分散と再来店の確率を高める構造が成立しています。このような「ブランド内回遊性」の設計は、短期的な売上向上よりも、中長期的な顧客関係の構築に寄与する重要な戦略であると考えられます。

さらに注目すべきは、価格帯が異なっても顧客が受け取る安心感や期待値が一定に保たれている点です。これは接客品質の標準化や教育体制の整備、空間演出、さらには物販に至るまで、顧客体験全体が統一された思想のもとに設計されていることの表れでしょう。

飲食業はしばしば感覚的なビジネスと捉えられがちですが、実際には滞在体験をいかに再現可能な形で提供できるかという「設計産業」としての側面を強く持っています。南海グリルの取り組みは、その好例であると感じました。
今回の再訪を通じて、自社の取り組みにおいても、価格帯ごとのブランド整理や顧客導線の設計、接客におけるストーリー性の構築など、改めて検討すべき余地があることを認識しました。
老舗としての信頼を維持するだけでなく、「選ばれ続ける理由」を構造的に示すこと。
その重要性を再確認する機会となりました。

今回得られた示唆を、今後の事業運営に活かしていきたいと考えております。
西浦 結香社長 先日は、ありがとうございました。

While the restaurant industry is often perceived as a business based on intuition, it actually has a strong aspect as a "design industry" that focuses on how to provide a repeatable guest experience. I felt that Nankai Grill's efforts were a good example of this.
Through this revisit, I realized that there is room for reexamination in our own efforts, such as organizing our brands by price range, designing customer paths, and building a storyline into our customer service.
It was an opportunity to reaffirm the importance of not only maintaining the trust of our long-established restaurant, but also structurally demonstrating "why we continue to be chosen."


